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小刀について
現在の小柄小刀(以下小刀とする)の原型は正倉院に保存されている
「刀子」(とうす)と呼ばれるもので、当時、文房具のように使われていたも
のだそうです。
正倉院所蔵の刀子の複製品
その後に刀装具として刀の付属品のようになりますが、それは約500
年ほど前の末古刀期の頃からと推定されています。
それ以後も、小刀は懐紙やわらじの紐などを切る時に使ったもので、武
器ではなく、本来日常的な刃物として使われたものです。
わかりやすく言えば丁度、西洋人がナイフを使うようなイメージだった
ようです。
刀は武士の表道具として大切に扱われたため、現物も記録も多くさん
残されていますが、小刀は実用の刃物として使われてために消耗してしまい
極く古いもので残っているものが少なく、記録も、資料も少ないのです。
ただ、小刀は小品とはいえ玉鋼を卸して、鍛え、焼き入れする等、刀鍛冶
が刀を作るのとほとんど同じ工程で作りますので、刀と同じ見所があり、
最近、手軽に刀のように鑑賞出来る美術品として、収集する愛好者が増えて
います。
刀の見方を勉強して、見所が判ってくると、小刀の小さな中に刀と同じ
見所を鑑賞する事が出来るのです。
また、小刀は短刀でも、あいくちでもありませんので、刃渡りが五寸
(150_)未満であれば銃刀法に関係なく誰でも所有することが出来ます。
所蔵する上での御注意
現在では、用途別ごと実用的な刃物は沢山作られていますので、もし、
小刀を所蔵なさる場合は、使わない美術品として所蔵して頂きたいと思います。
小刀は鋭利な刃物ですので、扱い方によっては銃刀法の対象になることが
ありますので、取り扱いには十分な注意が必要です。
(例えば、出刃包丁は家庭で魚の料理に必要ですから、誰でも所有出来ま
すが、これを裸身で持ち歩くと凶器として銃刀法の取り締まりの対象になり
ます)
もし、小刀を持って外出する時には、必ず保護用の袋に入れて、更に、
箱に入れるとか、風呂敷等に厳重に包んで携帯して頂きたいと思います。
また、美術品ですから、鑑賞出来てこそ価値があります。錆びさせない
ようにご注意下さい。
もし、錆びた時には、高く付きますが、必ず刀の研ぎ師に研いでもらっ
て下さい。素人が砥石に当てると形を崩すだけでなく、肌や刃紋を出す
ことは出来ません。
錆びさせないために、鑑賞の後には必ず打ち粉を打つか、「ぬぐいふく
さ」で拭ってから油を付けて仕舞って下さい。
(「ぬぐいふくさ」は当社で開発した刀にキズをつけないで油を拭える新
しい刀の手入れ布です:3枚組桐箱入り ¥5000.-)
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